大日本プロレスが16日、横浜文化体育館で旗揚げ25周年記念大会を行った。

新型コロナウイルス感染拡大の影響でスポーツイベント自粛の波が広がる中、同団体は「止まったらつぶれてしまう」(団体スタッフ)という経済的事情から、2月末に政府が自粛要請を出した後も興行を継続。ちょうど旗揚げ25年となるこの日も決行した。

観衆は通常の同会場での入りより数百人少ない1025人。感染予防のため来場者にマスク着用を求めるほか入場時にはスタッフが1人1人に手の消毒を施した。2階窓も換気のために開けられ、寒風吹き込む中で試合が行われた。

メインのデスマッチヘビー級選手権では、王者アブドーラ・小林(43)に伊東竜二(43)が挑戦。蛍光灯316本を使った激しい攻防の末、伊東がドラゴンスプラッシュで勝利し、7度目の王座に返り咲いた。伊東は来場者に「プロレスを見て、免疫力をつけましょう! 自粛、自粛でストレスためてる暇ないでしょ!」と元気づけ、さらに「今、大日本プロレスは最大の危機を迎えています。みなさんの力が必要です」と呼びかけた。

大日本は現在自社トラック3台が故障して買い直しが必要な状態。その上で新型コロナウイルスによる集客不足の危機が重なった。伊東は「大日本はただでさえ危機の状態なのに、でかい波が来た。何とかこれを乗り越えなければ」と前を向いた。【高場泉穂】