ボクシングの世界挑戦へ正念場の世界ランカー対決が、2日に東京・後楽園ホールで行われる。前日計量が1日に都内であり、IBF世界スーパーフェザー級3位尾川堅一(32=帝拳)が58・8キロ、IBF同級7位西谷和宏(33=VADY)が58・6キロと、ともに58・9キロのリミット以下でクリアした。

尾川は昨年12月以来の試合で、3年ぶりの日本人相手となった。「元日本王者で実績はあるが、ここで競っていてはダメ」と上を見る。17年の世界挑戦はドーピング違反で無効となり、昨年再起も10回判定、相手棄権の4回TKO、負傷引き分けと「消化不良」も続く。「一発バチッと決めて、再び世界をアピールしたい」と意気込みを見せた。

何度も試合が延び、この試合も当初は9月5日がジムで感染者が出て1カ月延びた。ジムが一時閉館中には自宅で練習したが、梓夫人がミットを持ってくれた。試合が延期になると、長男豹君には「次がある」と励まされた。計量はホテルに分離されるが、食事は夫人が届けてくれるという。家族の支えにも応えたい。

この3戦を振り返り、躍動感をテーマに練習してきた。「相手に合わせてゆっくりし、リズムが遅かった。どんどん行く姿勢で早い段階に倒したい。さすが尾川と思わせたい」とKO宣言した。

西谷も昨年12月以来となるが「いつも間隔が開いているので気にならない。コンディションはいい感じ」と笑みを見せた。17年に日本ライト級王者となり、6連勝中で世界ランク入りも果たした。鳥取県から初の世界王者を目標にする。

試合が1カ月延びたが「かなりプラス。対策はバッチリ練った。積極的に自分から攻めて、ポイントをとっていきたい」。上位ランカーの尾川と対戦が決まると「うれしかった。前からやりたかった」という。「世界に近づくためにこの試合にかけている。すべてを出し切る」と意欲満々だ。