世界3階級制覇王者ワシル・ロマチェンコ(32=ウクライナ)が4団体統一に失敗した。

WBAスーパー、WBO、WBC世界ライト級王者として、IBF世界同級王者テオフィモ・ロペス(23=米国)との統一戦。ともに決定打なく12回を終えると、0-3での判定負けとなった。採点は4、6、10ポイントの差がついた。

ロペスが初回からプレスをかけて始まった。ロマチェンコの初回は軽く4発だけと、前半は慎重な戦いぶり。積極的に出てきたロペスを足でさばいていた。ロペスは手数が多く、ロープを背にさせる場面もあったが、ガードの上からヒットが多かった。

中盤からロマチェンコは確実にヒットも手数は少なかった。終盤はロマチェンコが積極的に出てパンチを繰り出したが、決定打までにはいかなかった。テレビ中継でのデータでは、手数、的中数ではロペスが上回ったが、的中率に有効打ではロマチェンコの方が多かった。

ロペスはこれで16戦全勝(12KO)とし、史上5人目の4団体統一王者となった。「プレスをかけて、その流れは変わらなかった。ロマチェンコはスローだった」と言い切った。試合前には「老いたライオンと若いライオンの戦い」など再三挑発していた。インタビューでも「新世代の誕生だ」と叫んだ。

これまで4団体を統一したのは、スーパーライト級のテレンス・クロフォード、ミドル級のバーナード・ホプキンス、ジャーメイン・テイラー(いずれも米国)、クルーザー級のオレクサンドル・ウシク(ウクライナ)。

全階級を通じてのパウンド・フォー・パウンドで、ロマチェンコは最強とも言われたきた。天才的技巧派のハイテクぶりの片りんは見せたが、まさかとも言える大差判定で、14勝(10KO)2敗となった。ホプキンス以来となる2人目の1団体ずつでの4団体統一はならなかった。