強さを世界に見せつけた。WBA、IBFバンタム級統一王者井上尚弥(27=大橋)が挑戦者のWBA2位、IBF4位のモロニーに7回2分59秒KO勝ちし、「聖地」、ラスベガスで完勝デビューを果たした。

井上は試合後、「4団体統一」を目指していく姿勢を強調した。当初、4月25日にラスベガスでWBO世界同級王者カシメロとの3団体統一戦を行う予定だったが、新型コロナウイルスの影響で消滅。その後は、カシメロ側から、再三、挑発を受けている。

12月12日にはWBC王者ウバーリと、5階級王者ドネアの試合が控えている。井上は「計画としては、WBCのドネアとウバーリ(の勝者)、WBOのカシメロ。両選手をターゲットとして考えているので、タイミングの合う方とやりたい」と統一戦を熱望した。

大橋会長によると、IBFから次戦で指名試合を行うよう指令を受けており、統一戦の可能性を探りながら、米国開催を軸に交渉を進めていくことになりそうだ。オリンピック(五輪)連覇のWBA同級正規王者リゴンドーも、井上との対戦に意欲を示しているという。ウバーリは弟の拓真がプロ初黒星を喫した因縁の相手で、ドネアは昨年の年間最高試合に選ばれた好カード。激戦のバンタム級は、今後も井上が中心に展開していくことになりそうだ。