総合格闘技(MMA)のRIZIN26が31日、さいたまスーパーアリーナで行われる。セミファイナルでは、那須川天心(22=TARGET/Cygames)がクマンドーイ・ペットジャルーンウィット(26=タイ)と対戦する。

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21日の出場発表会見で開口一番「大みそか=那須川天心だと思っている」と答えた。なかなか決まらなかった出場だったが、しっかり準備はしていた。「強いやつはいつ試合が決まっても強い。チームともいい練習ができている。常日ごろから試合のことを考えていた」と話す。

5歳から空手を始めたが、全国で勝てない那須川に父が激高。二人三脚で「学校の思い出があまりない」というほど厳しい指導を受け、成長していった。14年7月にプロデビューし、15年5月にはプロ6戦目で、史上最年少16歳でRISEバンタム級王者となった。

18年大みそかのスーパーエキシビションマッチでメイウェザーにTKO負けを喫したが、公式戦では総合格闘技、キックボクシングと40戦以上を戦っていまだ無敗。19年にはRISE世界トーナメントでも優勝した。多彩で破壊力のある攻撃と、驚異的なスピードのカウンターで今回もKO劇を演じる。「長引かせる試合もしたくないし、那須川天心の試合を見せるだけ」と余裕を見せる。

対戦するペットジャルーンウィットは、パンチ・肘・ローキックすべてで爆発的な攻撃力を持つムエタイ戦士。「20年最後の日が、テンシンにとって最後の日になる」と挑発する。18年に那須川と対戦し、激闘を繰り広げたロッタン・ジットムアンノンには2年前に勝利しており「ロッタンのように日本で試合をして有名になってファイトマネーを稼ぎたい」と豪語する。

那須川は圧倒的強さでファンを魅了してきたが、最近では格闘技全体を自分が盛り上げていくという、自覚も芽生えた。プライベートでも連絡を取り合う仲の朝倉兄弟がユーチューブで活躍しているのを見て自分も始めた。2人とは「生中継で放送されるので視聴率も取りたい」と話したといい、3人で全国のファンを増やしていくつもりだ。

「絶対に負けたくない」と話す神童が、唯一怖いものが「おばけ」だという。えたいの知れないものにはおびえることもあるが、この世に存在する相手はすべて倒しにかかる。【松熊洋介】