無観客で行われたチャンピオンカーニバル(CC)で、佐藤耕平(43)が石川修司(45)に勝利し、4勝2敗(勝ち点8)とした。

序盤から力勝負が続き、互角の戦いだったが、終盤劣勢に。石川にカミゴェ、ランニングニーと畳み掛けられたが、ファイヤーサンダーをラ・マヒストラルでかわすと、横回転エビ固めで丸め込んだ。一瞬のスキを突いての逆転勝ちに「(混戦で)楽しいとか言ってられる状況でもないので、ちょっと引き出しを開けました」と笑顔を見せた。大日本時代に「ツインタワーズ」としてコンビを組んでいたよく知る相手。「横にいる時は頼もしかったが、やると嫌だね」と振り返った。

昨年も無観客試合を経験した。「最初はお客さんの後押しがないと、いいパフォーマンスができるか戸惑った部分もあった。今は技や痛みなどを画面を通して伝えることで、自分たちも勉強させてもらっている」と話した。この日は激しい頭突き合戦も行い、額には血がにじんだ。「有観客の時よりももっと伝えられるように」と普段以上に技や動きに魂を込め、リング上で表現した。

4勝目を挙げ、首位をキープ。初出場ながら優勝を狙える位置に付けている。残り3戦。「1人はくせ者のリー。1人は若さあふれる青柳、もう1人はずっと前から知っている大谷」。厳しい戦いが続いていくが「気を引き締めて行きたい」。夕方からは疲れも見せず、別団体の大会に出場。若手相手にシングルマッチで完勝し、経験と実力の差を見せつけた。プロレスと真っすぐに向き合う男が、CC優勝に向け、秘めたる闘志を燃やしている。【松熊洋介】