ボクシング4階級制覇王者のWBOスーパーフライ級王者井岡一翔(32=Ambition)に浮上した大麻疑惑報道で、井岡は大麻の摂取は否定する一方で、「CBDオイル」の使用を明らかにした。ネット通販サイトでも販売されているCBDオイルとは、どのようなものなのか。その成分について、専門家に聞いた。

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国立精神・神経医療センター依存性薬物研究室の舩田正彦室長 大麻には多くの成分が含まれているが、代表的なものが2つある。1つはデルタ9テトラヒドロカンナビノール(THC)で幻覚や多幸感という精神作用があり、乱用の原因成分と考えられている。もう1つがカンナビジオール(CBD)という成分で精神作用がなく乱用されないと考えられている。

CBDは、難治性てんかんに対する医薬品として米国などで使用されている。難治性小児てんかんに効果的な医薬品は少ないため、脚光を浴びている成分である。

ただ、国外から日本に輸入されて流通しているCBDオイルなどの商品には、日本の国の審査を受けていないものがある。内容物にCBDがどれだけ入っているか、THCが入っているか、あるいは有害な重金属などの混入がないかも不明なため、慎重な対応が必要である。