チャンピオンカーニバル(CC)で、3冠ヘビー級王者・諏訪魔(44)が芦野祥太郎(31)に勝利し、勝ち点10で優勝争いのトップに並んだ。

序盤は芦野ペースだった。諏訪魔の左膝を徹底的に痛めつけ、試合を優位に運んだが、中盤に諏訪魔のスイッチが入り、逆襲。止めに入ったレフェリーも「うるせぇ」と言って投げ飛ばし、芦野を殴り続けた。ピンチの場面も右ラリアット一撃で逆転し、その後はバックドロップを連発して3カウントを奪った。3度目のシングルでの対戦となったが「暴走させた上で俺が勝つ」と意気込んで臨んだ芦野を今回も退けた。

ともにレスリング上がりの2人。勝利後、諏訪魔は芦野のもとに歩み寄り「レスリング技術にほれたよ。お前と戦うとおもしろい」と声をかけた。さらに「お前の投げと俺の投げ、レスリングの強さを証明するためにもタッグを組んで業界の天下を取ろう」と呼び掛けた。芦野も「よろしくお願いします」と快諾し“最強タッグ”結成を喜んだ。

芦野は2月24日の大会で前ユニットの仲間だった土肥、羆嵐から襲撃され、裏切られていた。それを救ったのが諏訪魔で「悔しい思いがあるなら協力するよ」と声を掛けていた。シングルで相対し、実力を確かめ、満を持して、王者自ら正式にオファーを出した。「久々にワクワクしてきた。みんなぶん投げてやろうぜ」。後輩に力強い言葉を投げかけ、ガッチリ握手を交わした。

13年ぶりの優勝がかかる5月3日のCC最終戦は石川と対戦。その後は3冠ヘビー級8度目の防衛戦が控える。最強タッグとしていいスタートを切るためにも、王者のプライドにかけても負けられない一戦となる。【松熊洋介】