ボクシングWBAスーパー、IBF世界バンタム級王者、井上尚弥(28=大橋)のスポンサー契約に総額4億円近くのオファーが届いたことが21日、分かった。

19日(日本時間20日)に米ラスベガスでIBF同級1位マイケル・ダスマリナス(28=フィリピン)を3回TKO撃破し、2本のベルトの防衛に成功。日本人初の4団体統一の可能性が高まり、国内外の企業からトランクススポンサー契約の希望が次々と舞い込んだ。

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日本人初となるラスベガスでの2戦連続防衛成功から一夜明けた井上のもとに、好条件の契約オファーが殺到した。4団体統一戦の可能性もある次戦に向け、残り1~2枠となるトランクススポンサーに、早くも5社が名乗りをあげた。国内外の有力企業からのオファーを受け、井上のスポンサー担当者は「良いお話を頂いている。すべてから契約の内容をうかがい、今後、選定していきたい」と明かした。

現在、井上は通信事業大手のNTTぷららとメインスポンサー契約を結んでいる。さらにトレーニング機器SIX PAD、国内エステティックTBCとも契約し、試合トランクスにはこの3社の企業名をつけている。同担当者によると、残るスポンサー枠は後ろのベルトライン部分となるものの「多くのオファーがあり、もう1枠のみ増やす可能性もあります」とうれしい悲鳴をあげた。

現在、井上のスポンサー契約金は1社あたり7000万円(推定)が平均となる。同担当者は「更新された現在のスポンサー契約の状況と同等、それ以上の条件を頂いている」と説明。残るスポンサー1~2枠に対し、単純計算でも総額4億円近くのオファーを受けたことになる。「井上と一緒に世界挑戦を進めていくというイメージが条件」(同担当者)という新スポンサーは次戦までには決定する見通しだという。

20日から井上の出演するCMがオンエアされたばかりのSIX PADの新商品購入サイトは、初日からアクセス集中によってサーバが一時的にダウンするほどの反響があったという。次々と日本人初の記録を更新していく井上の注目度アップとともに、イメージキャラクターとしての価値もプロボクサーの領域を超えつつある。

○…井上は帰国を1日延期してラスベガスで静養した。当初は21日に帰国予定だったが、本人とセコンド陣の疲労面を考慮。負担がかからないように、滞在日数を1日増やしたという。防衛成功後も日本時間の20日夜から放送されたフジテレビの試合録画中継に現地から精力的に出演していた井上は「聖地」でオフを過ごし、22日に帰国する予定だ。