内藤哲也(39)が、10年1月以来となるIWGPタッグ王者に輝いた。

SANADAと組み、王者タイチ、ザック・セイバーJr.組に挑戦して勝利。あわや3カウントのシーンを何度もしのぎ、終盤SANADAと息の合ったコンビネーションで流れをつかむと、最後はセイバーJr.にデスティーノを決めて王者組を沈めた。

地元の大応援を受けるタイチと「内藤が大嫌い」というセイバーJr.の闘志を葬り去った。これまでの前哨戦では、試合後に、お互いに不敵な笑みを浮かべるなど、消化不良の戦いが続いていたが、この日はすべて出し切った。勝利後もしばらく立ち上がれないほどの36分の激闘に「偉大なタッグチームだった」と相手をたたえた。

今年1月にIWGPヘビー級&同インターコンチネンタル(IC)のベルトを奪われ、目標を見失った。2月には飯伏のICに挑戦も撃沈。それでも同じユニットの仲間である鷹木が6月に同世界ヘビー級王者になったことで、士気が上がった。直前にNEVER無差別級6人タッグに挑戦し、敗れていた内藤は、すぐにIWGPタッグに切り替え、挑戦表明した。「間違いなく先頭を走っているのは鷹木信悟。みんな悔しくないわけがない」。逆境からはい上がって、ようやくベルトを手にし、目標である来年1月東京ドーム大会のメインに向けて前進した。

試合後には負けた2人から「もう1回やらせて欲しい」と再戦を要求された。タイチに自分たちのことを「好きだよ」と屈辱の一言を言わせ「俺が舞台を準備するかしないかな」と笑みを浮かべた。立場が逆転した内藤は、王者として堂々と挑戦を受けて立った。