ボクシングIBF世界スーパーフェザー級3位尾川堅一(33=帝拳)がボディー打ちの破壊力をアップし、世界戦に備える。

8月20日、アラブ首長国連邦・ドバイで控える同級1位シャカッツ・ラヒモフ(26=タジキスタン)との同級王座決定戦に備え、19日に都内の所属ジムで調整した。田中繊大トレーナーとともに、KO率75%を誇る無敗の相手の動画をチェックしながら、ミット打ちでボディーブローに磨きをかけた。

右ストレートやスピード感十分のワンツーで切り込むイメージが強い尾川が新パターンとなるボディー打ちを意識している。「得意な攻撃はいつでも出せる。相手も好戦的なので引かないこと。我慢して強い(ボディー)パンチを出すイメージでいけば自然に倒せると思う。相手よりもちょっと上回ればいいので」とやる気十分。積極的にラヒモフ対策のトレーニングを反復している。

ドーピング検査違反を指摘され無効試合となった17年12月の世界戦を乗り越え「最後に世界王者になっていれば、すべてこのためだったんだと言える」と胸に秘め、ジムワークを続ける尾川は「こういう(コロナ禍の)時期で、なかなかチャンスもらえる選手が少ない中で(世界戦が組まれて)ありがたい。あと1回勝てばいい。この1回が勝てなければ何の意味もない。チャンスはもらったので、まずはこの1回に勝って世界王者になりたい」と集中力を研ぎ澄ませていた。【藤中栄二】