約2年1カ月ぶりにリング復帰となったWBA世界ウエルター級休養王者マニー・パッキャオ(42=フィリピン)が、WBA同級スーパー王者ヨルデニス・ウガス(35=キューバ)との王座統一戦に臨み、0-3の判定で敗れた。

専門メディアからはパッキャオが来年のフィリピン大統領選挙への出馬を検討しており、ウガス戦は「ラストファイト」と報じられている。

【1ラウンド】

・サウスポーのパッキャオに対し、右構えのウガス。身長、リーチともに上のウガスに対し、パッキャオはスピード十分。ロープ際に追い込み、素早い連打で追い詰めた。パッキャオがスリップで倒れる。

(パッキャオの10-9)

【2ラウンド】

・リーチで上回るのウガスの左ジャブに手を焼いたパッキャオは右ボディーストレート、右ストレートを浴びた。近距離に詰め、右フックなどを繰り出すパッキャオだが、1回よりも手数が少なくなった。

(ウガス10-9)

【3ラウンド】

・序盤、パッキャオが連打でリズムをつかむきっかけをうかがう。ガードを固めるウガスに対し、3連打でロープに追い込む。2年1カ月ぶりリングで試合感覚を戻してきた様子。ウガスは慎重に攻めるペースを変えない。

(パッキャオ10-9)

【4ラウンド】

・パッキャオが連打からの左ボディーブローでウガスの動きを止める。ウガスのローブローで一時中断後も右ジャブで距離感をつかみ、ワンツー、左ボディーを放って試合のペースを握った。パッキャオの右フックでウガスがスリップした。

(パッキャオ10-9)

【5ラウンド】

・ガードを上げて慎重に攻め続けるウガスも右強打を狙って手数を増やす。対するパッキャオは相手ガードの上からでも連打を狙い、左フックのダブル、左アッパーを打ち込んだ。パッキャオのスピードは衰えない。

(パッキャオ10-9)

【6ラウンド】

・ウガスの様子を見極め、パッキャオが左ジャブ、右フックとリズミカルに打ち込んでいく。中盤に入っても慎重な動きを崩さないウガスをスピードと手数で上回ったパッキャオは、試合の主導権を握らせない。

(パッキャオ10-9)

【7ラウンド】

・常に先手を意識して攻めるパッキャオがリーチで劣りながらもジャブの差し合いで上回る。局面の打開を狙いたいウガスは徐々にワンツーで打ち始め、攻勢に出ると、終盤には右の強打をみせた。

(ウガス10-9)

【8ラウンド】

・手数を増やし始めたウガスが強烈な右を打ち、パッキャオを後退させた。右ボディーストレート、右ストレートがヒットし、逆にパッキャオの手数が減り始めた。パッキャオのスタミナが落ちてきた様子。

(ウガス10-9)

【9ラウンド】

・パッキャオが先手でワンツーを放つと、ウガスの左腕で潰されてスリップ。果敢に右ジャブ、左ストレートを連打で打ち込んだパッキャオは再び手数を増やし始めた。ウガスは右フックなどで応戦した。

(パッキャオ10-9)

【10ラウンド】

・パンチの回転力を上げたパッキャオが顔面やボディーに連打、ウガスも連打で反撃した。パッキャオが連打で前に出るとウガスも後退せざるを得ない。カウンターを警戒し、ウガスの手数は増えない。

(パッキャオ10-9)

【11ラウンド】

・右の強打で攻めるウガスに対し、パッキャオが連打を放つとクリンチで回避された。スピードを生かしながら3連打、4連打で攻めるパッキャオだが、時折、ウガスの右強打を浴びてしまった。

(ウガス10-9)

【12ラウンド】

・最終ラウンド、先手でワンツーを狙うパッキャオはガードの上からでも強引に右フックを打ち込むウガスを攻めあぐねる。疲労で動きが鈍くなったパッキャオに対し、ウガスは最後の力を振り絞り、右フック、左アッパーで攻め込んだ。

(ウガスの10-9)

 

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