ボクシングWBOアジア・パシフィック・スーパーウエルター級王者井上岳志(31=ワールドスポーツ)が11月17日、オーストラリア・シドニーでWBO世界同級1位ティム・チュー(オーストラリア)と対戦することが15日、所属ジムから発表された。チューが保持するWBOグローバル同級王座に挑戦する。元世界3団体スーパーライト級王者コンスタンチン・チューを父に持つ世界1位を撃破すれば世界ランキングも一気に上昇する可能性がある。

世界ランキング、知名度を一気に上げられるビッグチャンスとなる。井上は「1年前から(斎田竜也)会長とやれるかもしれないと聞いてチューの動画を見ていた。結構、かみ合う試合にあるかなと。こんなチャンスはめったにないので挑戦しようと思いました」と気合を入れ直した。7月には初めて英国修行を敢行。ロンドン郊外のカンタベリーでWBO世界同級10位アンソニー・ファウラー(30=英国)の練習パートナーとしてスパーリングを重ねてきたという。

チューに勝てば世界挑戦への道が開けそうだ。19年1月、当時のWBO世界同級王者ハイメ・ムンギア(メキシコ)に挑戦して以来の2度目の世界戦をつかむため、井上は「ティム・チュー選手はすごい選手なので勝ってもう1度(世界挑戦)という、それだけを考えている。こんなチャンス2度とないと思うので全てを出して、前回(のムンギア戦)みたいに善戦で良かったというレベルじゃなく勝って表現したい」と口調を強めた。

当初は11月6日に東洋太平洋同級8位中嶋玲(寝屋川石田)との東洋太平洋同級王座決定戦も兼ねたWBOアジア・パシフィック同級王座の防衛戦に臨む予定となっていたが、斎田会長は「当初は1月、2月と考えていたのが、先方の都合で11月になった。(中嶋陣営から)日本のために頑張ってきてくれと言われた」と試合変更に理解を示してくれた中嶋陣営にも感謝していた。