ヨシタツキングダム入りはならなかった。角界からプロレスラーに転向し、今年6月にデビューした双子の弟・斉藤レイ(34)がヨシタツ、立花、バリヤンアッキのヨシタツキングダムと組み、8人タッグマッチに出場。孤軍奮闘も大森にアックスボンバーで敗れた。「3カウント取れば(加入を)考えていた」というヨシタツの前で勝利を手にすることはできなかった。

バックステージでは終始肩を落として「すみません」を連呼。ただ、ヨシタツの印象は悪くなるどころか、むしろ良くなっていた。終盤大森とめんそーれをショルダータックルで同時に倒し、その後大森にはボディプレスをさく裂。ヨシタツからは「爆発力がすごかった」とほめてもらった。言葉少なにバックステージから去り、悔しさを見せた姿にも「新人で負けたやつがコメントなんか出すべきじゃない。あいつは何も出さなかった」と好評価を受けた。

出羽海部屋で8年間の力士生活後、昨年12月に兄・ジュンとともに入団。大相撲の仕切りのポーズや、突っ張り、張り手などでリング上を湧かせる。6月末には早くもシングルでの兄弟対決が実現。敗れはしたが、期待度の高さを伺わせた。2人セットで組まれることも多いが、最近は別々のタッグで出場することも。8月には単独で天龍プロジェクトに参戦。天龍氏からも「ストンピングやパンチを入れたら有利に戦える」アドバイスをもらうなど、着実に成長を続けている。

デビュー当初から「たくさん勉強して、外国人レスラーみたいに体を大きくして、トップの人たちと戦いたい」と語っていた斉藤。ヨシタツからは「俺たちはレイを狙っているから」と期待をかけられている。次こそ勝利して、ヨシタツキングダム入りを果たし、飛躍の階段を上りたい。【松熊洋介】