石井智宏(45)が米国でNEVER無差別級王座のベルトを奪還してみせた。メインイベントで2度目の防衛を目指した王者ジェイ・ホワイト(29)を破り、2年半ぶり6度目の戴冠を果たした。

「あいつの首とNEVERのベルトを取りに、アメリカに乗り込むぞ!」。8月4日のロサンゼルス大会で、初防衛を果たしたホワイトに挑戦状をたたきつけてから3カ月。かつてNEVER王者として名勝負を繰り広げ、NEVERブランドの地位を確立した男は、首を長くしてこの時を待っていた。

タックル合戦で幕を開けた試合は、場外戦に発展。鉄柵に2度打ち付けられ、強烈な逆水平チョップを食らうなど、序盤は王者の前にやられっぱなしだった。だが、何度も打たれることで本領を発揮するのが石井だ。エルボー合戦を真っ向から受けて立ち、打たれながらも前進した。最後は、体力を使い果たしたホワイトを捕まえ、渾身(こんしん)の垂直落下式ブレーンバスターで沈めた。

試合後、倒れこんでぼうぜん自失のホワイトにベルトを見せつけると、無言で米国のリングを後に。解説を務めたIWGP世界ヘビー級王者の鷹木信悟に「ジェラシーがわくほど素晴らしい試合だった」と言わしめる貫禄の勝利だった。