ボクシングIBF世界スーパーフェザー級王者尾川堅一(33=帝拳)が22年3月に国内で凱旋(がいせん)マッチに臨む見通しとなった。

27日(日本時間28日)、米ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデン(MSG)で同級2位アジンガ・フジレ(25=南アフリカ)との王座決定戦で3度のダウンを奪って判定勝ちし、29日に帰国した。所属ジムの本田明彦会長(74)に来年3月末、日本で初防衛戦を組む意向を示され、歓迎した。

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スポーツの殿堂MSGで日本人世界戦の初勝利を挙げた尾川は晴れやかな笑顔で到着した。「MSGで勝ち、後輩たちにつなげられた日本人1勝です」と達成感を口にした。本田会長から来年3月末、日本で初防衛戦という見通しが示されると「やっぱり、うれしいです。見たい人はいっぱいいると思う。相手はサウスポーがいい」と歓迎した。

米国での世界王座奪取は日本人7人目。12人目の世界王者となった帝拳ジムでは初IBF王者となったが、世界ベルトなしで帰国した。IBFに用意された新品ベルトが世界ではなく、日本未公認のIBFインターナショナル王座のものだったという。あらためて世界王座ベルトが届けられる予定で、尾川は「自主隔離もあるし、応援してくれる方々へのあいさつ回りはベルトが届いた後で」と予想外の展開に苦笑いを浮かべた。

来年3月に初防衛成功すれば、V2戦は英国になるプランもある。尾川は「いろいろな国で試合がしたい。言われた試合をして、ステップを踏み、1番は統一戦を目指したい。IBF王者は尾川だとアピールしたい」と、早くも世界王者の風格を漂わせていた。【藤中栄二】