ボクシングの2021年度年間表彰選手は29日に発表され、WBAスーパー・IBF世界バンタム級王者井上尚弥(28=大橋)が4年連続5度目の最優秀選手賞に選ばれた。白井義男、具志堅用高と並ぶ最多受賞となる。KO賞も2年連続5度目の受賞で2冠に輝いた。殊勲賞はIBF世界スーパーフェザー級王者尾川堅一(33=帝拳)が初、技能賞はWBO世界スーパーフライ級王者井岡一翔(32=志成)が3年連続3度目の受賞となった。

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井上がレジェンドと並んだ。日本人初の世界王者となる白井、世界王座13度の最多防衛記録を持つ具志堅と同じ最多5度目のMVP受賞。「白井さん、具志堅さんに並ぶ、素晴らしい記録。すごくうれしい」と喜びを表現した上で「コロナ禍でのこの受賞は1つのモチベーションになるし、22年も素晴らしい試合をして、賞を取れるように頑張りたい」と声をはずませた。

4年連続MVP受賞も白井、具志堅(ともに5年連続)、渡辺二郎(4年連続)に続き4人目で、最多タイに王手をかけた。12年のプロデビューから9年でのハイペース受賞にも「キャリアはまだまだある。毎年取っていきたいし、自分が目標とする賞。毎年、目指したい」と5年連続6度目受賞に照準を合わせた。

22年はバンタム級での4団体統一、そしてスーパーバンタム級に上げ、世界4階級制覇がターゲットだ。昨年11月から世界3階級制覇王者の八重樫東トレーナー(38)のコンディショニング指導を週2回ペースで受け始めた。「まだまだ筋力はつけることができるし、これから先に(階級を)上げていく段階を踏まえて自分からお願いした。今年1年、八重樫さんと組んでさらにレベルアップを感じたいし、自分に期待したい」と決意を口にした。

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22年初戦は6月以降を予定。マッチメークする所属ジムの大橋秀行会長(56)は「22年は厳しい戦いが続いていくし、やりがいがある試合が続く。それを乗り越えれば、自然と最多記録につながると思っています」と後押しを約束していた。【藤中栄二】