WBO世界ミニマム級王者谷口将隆(28=ワタナベ)がリスクの高い防衛戦でベルトを死守した。 前日計量で2・5キロ近く体重超過した同級5位石沢開(25=M.T)との初防衛戦。ウエートで2階級近く上の挑戦者に対し、11回2分29秒、TKOで勝利した。


11回2分29秒TKO勝ちで初防衛の谷口 リング上で「ありがとうございます。体調不良の中、試合に出てくれた石沢選手はじめ、試合を組んでくれた方に感謝したい。これからの彼を見ていただけたらと思います。プロボクサーとして、失敗はだめですけど、失敗から、何かがあると思うので。性格的に防衛の方が性に合っている。今回、どうでした? 2年半前に(石沢とは1度)やっていて、進歩していると思った。想像通り、進化していたので序盤やりにくいなと思った部分もあった。強い日本チャンピオン相手に防衛できたので、これからは、強い選手、いろいろな明るい戦いを選んでいきたい」

谷口(手前)は石沢に11回TKO勝ちしガッツポーズ(撮影・足立雅史)
谷口(手前)は石沢に11回TKO勝ちしガッツポーズ(撮影・足立雅史)


◆WBO世界ミニマム級タイトルマッチ12回戦


谷口将隆11回TKO石沢開


◆ラウンドVTR◆

リングに上がる谷口(手前)と石沢(撮影・足立雅史)
リングに上がる谷口(手前)と石沢(撮影・足立雅史)
リングに上がる石沢(撮影・足立雅史)
リングに上がる石沢(撮影・足立雅史)

1R

20秒すぎの谷口のサウスポースタイルからの左ストレートが先制打に。1分すぎも谷口の鋭いワンツーが決まる。挑戦者は高いガードで前進するも手数が出ない。終盤も谷口の左ストレート、左アッパーが決まる。【日刊採点】10ー9(谷口)

1回、谷口(後方)は石沢を攻める(撮影・足立雅史)
1回、谷口(後方)は石沢を攻める(撮影・足立雅史)
1回、石沢(右)にパンチを放つ谷口(撮影・横山健太)
1回、石沢(右)にパンチを放つ谷口(撮影・横山健太)

2R

30秒すぎに石沢が右フックを振るうも空振り。その後も前に出てボディーを狙うが谷口はガードでかわす。1分すぎから谷口の左ストレート、左アッパーがヒット。残り1分からも谷口の左がヒット。パンチの正確さで王者が上回る。【日刊採点】10-9(谷口)

2回、谷口(右)は石沢を攻める(撮影・足立雅史)
2回、谷口(右)は石沢を攻める(撮影・足立雅史)
2回、谷口(左)にパンチを放つ石沢(撮影・横山健太)
2回、谷口(左)にパンチを放つ石沢(撮影・横山健太)

3R

開始から王者が的確なパンチを次々にヒットして主導権を握る。石沢は手数が減る。1分半すぎに石沢の右フックがヒット。その後も連打を浴びせるが、王者はサイドステップで後続打をかわし、1分すぎに左ボディーアッパーを再三ヒット。終盤も谷口は再び主導権を握り、石沢の反撃をかわし切る。【日刊採点】10-9(谷口)

3回、石沢(右)は谷口を攻める(撮影・足立雅史)
3回、石沢(右)は谷口を攻める(撮影・足立雅史)
3回、谷口(右)にパンチを放つ石沢(撮影・横山健太)
3回、谷口(右)にパンチを放つ石沢(撮影・横山健太)

4R

開始から石沢が接近してボディー連打も、谷口も下がらずに打ち返す。2分すぎに谷口の左ボディーアッパーがヒット。石沢も連打を繰り出すが、王者の巧みな防御にかわされる。残り30秒すぎに谷口の左アッパーが石沢のアゴを跳ね上げる。【日刊採点】10-9(谷口)


5R

開始から石沢がパンチを振るって前進するが、有効打にはならず。30秒すぎに谷口の左ボディーアッパーがヒット。1分すぎには左ストレートも挑戦者の顔面をとらえる。2分、谷口の左ストレートが挑戦者の顔面にまともにヒットして、石沢の上体が起きる。残り30秒すぎから王者が左を上下に打ち分ける。【日刊採点】10-9(谷口)

5回、谷口(右)は石沢を攻める(撮影・足立雅史)
5回、谷口(右)は石沢を攻める(撮影・足立雅史)

6R

開始から石沢がラッシュも、30秒すぎに王者の左フックが決まり、前進が止まる。1分半すぎに谷口の左ボディーアッパーを浴びた石沢の動きが一瞬止まる。2分すぎから石沢も前に出るが、王者のカウンターを食らう。終盤は接近戦からの谷口の左右アッパーがヒット。【日刊採点】10-9(谷口)


7R

開始から接近戦も石沢はクリーンヒットなく、王者のボディーブローが有効。石沢も手数は出すが、王者の巧みなポジショニングでヒットせず。1分すぎに谷口の右アッパーと左ストレートがヒット。2分からの打ち合いも谷口が細かい連打と的中率で主導権を握る。【日刊採点】10-9(谷口)


8R

開始から谷口がガードを堅めて接近戦を挑み、挑戦者のボディーを狙う。石沢は手数を出すが、有効打なし。1分すぎに王者のワンツーが連続で決まる。さらに谷口がロープにすめて左右アッパーを決める。2分すぎからの石沢のラッシュはほとんど空転。逆に谷口の左ストレートと右アッパーの連打で石沢のアゴが上がる。【日刊採点】10-9(谷口)


9R

15秒に谷口の左ボディストレートが決まり、石沢が背中を丸める。50秒すぎには谷口の左ストレートが石沢の顔面に決まる。1分半すぎに谷口の左ボディーアッパーで石沢は後退。石沢は前に出るがパンチが出ない。出ても当たらない。2分30秒すぎに谷口の右アッパーをアゴに浴びた石沢がグラるく。【日刊採点】10-9(谷口)


10R

50秒すぎから石沢がパンチを振り回し前進するが、王者の巧みな防御で有効打なし。その後も石沢が強引にパンチを振り回すが、当たっても単発に。2分すぎに谷口の左ストレートがクリーンヒット。石沢がグラついて後退。その後も谷口が左ストレートを再三決める。【日刊採点】10-9(谷口)


11R

開始直後に谷口の右アッパーが石沢のアゴをはね上げる。石沢も大振りのパンチを振り回して、1分すぎに谷口の左ストレートで石沢は後退。その後も谷口に左ストレートが再三ヒット。1分40秒すぎに王者の左ボディ-アッパーで石沢が動きを止める。明らかに効いているが、挑戦者は踏ん張る。しかし、その後も王者のパンチが次々と決まり、2分29秒にレフェリーが試合を止めた。王者谷口がTKO勝ちで王座防衛に成功。

谷口(手前)は石沢に11回TKO勝ちしガッツポーズ(撮影・足立雅史)
谷口(手前)は石沢に11回TKO勝ちしガッツポーズ(撮影・足立雅史)


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