プロボクシングWBO世界ミニマム級タイトルマッチ12回戦は22日、東京・後楽園ホールで開催されることが正式に決まった。同級王者谷口将隆（28＝ワタナベ）に挑戦する予定ながらも、前日計量で2・5キロ近くの大幅な体重超過で失格となった同級5位石沢開（25＝M.T）が同日午後5時半に都内の日本ボクシングコミッション（JBC）で当日計量に臨み、50・6キロでクリア。両陣営で合意したリミット（47・6キロ）よりも3キロ増（50・6）をジャストで守り、試合成立に至った。石沢は前夜から会場近くのホテルに宿泊し、何とか体重をキープ。水分補給だけで過ごしたという。

計量後、石沢は囲み取材に応じた。「このたびはプロとしてやってはいけないことをやってしまったことを深くおわびします。たくさんの方々を裏切ってしまいました。チャンスをくださったので全力を尽くします。（体調は）回復しきっていないところはありますが、そんなことは二の次でやれることをやるだけ。満足させるためにできるパフォーマンスを出すだけです」と、神妙な面持ちで話した。

計量前日に体調不良に陥った石沢は、減量のラストスパートが不可能となり21日の1回目の計量で50・1キロのオーバー。2時間の猶予を与えられた2回目の計量でも49・9キロと減らすことができず、計量失格となった。しかし両陣営が試合開催を希望し、JBCを交えて協議した。WBOルールでタイトル戦か否かにかかわらず「王者は負けたら王座陥落」となる谷口にとってはリスクがある。

また石沢がリミットまで減量しなかった体調面の回復度の早さを懸念した谷口陣営は「試合当日午後5時半に計量」「体重はリミットよりも3キロ増以内」と試合実現に向けた細かい条件を提示。すべて石沢陣営に了解してもらうことで合意に達していた。これで19年9月の日本同級王座決定戦以来2年7カ月ぶりの再戦となる日本人対決による世界戦が決まった。

なお谷口が勝利したら初防衛成功、負けた場合、王座は空位となる。石沢は前日計量で体重超過し、勝っても王座に就けない。