元世界3階級制覇王者でWBO世界スーパーフライ級3位の田中恒成(26=畑中)が12日、名古屋市内のジムからオンラインで会見した。

20年12月に4階級制覇をかけた同級王者の井岡一翔(志成)との一戦で初黒星を喫した。昨年12月に再起を果たし、6月29日に後楽園ホールでWBOアジアパシフィック同級王者の橋詰将義(28=角海老宝石)と同タイトルをかけて対戦する。

まずはジムの畑中清詞会長が会見に応じた。

-試合が決まった経緯は

畑中会長 (プロモーターの)大橋会長からオファーを先月に受けた。そのとき、田中は米国に行っていた。ラインで送ったら「了解しました」とのことで決定しました。今の状態は肝も据わって無事に帰国したのでやってくれると思う。ラインで「度肝を抜く試合を」と打ったら「任してください」と返ってきた。

-今後の展望

畑中会長 この階級は選手がそろっている。WBOは(王者が)井岡くんなので動向を見ながら。WBA、WBCはなかなかビッグなネーム。(IB)Fと(WB)Oで考えてます。

◆世界スーパーフライ級王座の現状 WBO=井岡一翔(志成)、WBAスーパー王者=ファン・フランシスコ・エストラーダ(メキシコ)、正規=ジョシュア・フランコ(米国)、WBCフランチャイズ=エストラーダ、正規=ジェシー・ロドリゲス(米国)、IBF=フェルナンド・マルチネス(アルゼンチン)

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続いて田中

-現状について

田中 これから緊張感が高まっていくと思う。心身ともに調整していきたい。

-橋詰選手の印象は

田中 正統派のサウスポーと思う。ここまで20戦近く(19勝=11KO=2分け)負けていないのも魅力。

-米国では

田中 3月上旬から4月にラスベガスへ。(指導はトレーナーの)イスマエル・サラスの言うことだけ。バランスです。自分のよさを取り戻そうとしている。スパーリングでも変化あり、よかったと思う。いろんな国の人が集まり、本当に多国籍。刺激は受けました。向こうでの練習は持ち帰りました。

-サラス・トレーナーから感じたことは

田中 どんなことを聞けるかと思って行ったのと、強い選手がたくさん集まるので刺激を受けに行った。モチベーションは高まったんで、それで動きはかなり変わった。(井岡のトレーナーでもあるが)その点においては自分も考えたけど、望んで行きました。自分が強くなるためだけに行った。今後どうなるかは考えていないです。最終的にはエストラーダにたどり着きたいのでどの団体でも、早く世界王者になりたい。

-会長へ気合のラインを

田中 会長が望む、それ以上に圧倒して勝ちたい。今回は世界戦に向けて大切な試合。無敗のアジアのチャンピオンを倒せば、自分の力の証明にもなるはず。

-久々の後楽園となるが

田中 懐かしい思いはある。ただこの舞台は自分にふさわしくない。早く世界戦のリングに戻りたいと思っている。