プロキックボクサー石月祐作(31=KAGAYAKI)が格闘技のビッグイベント「RIZIN・37」(31日、さいたまスーパーアリーナ)に初出場し、第2試合でシュートボクシングの3階級王者、笠原弘希(22=シーザージム)と対戦する。新潟県在住選手のRIZIN参戦は初。打診を受けたのは14日と緊急参戦だが、チャンスを逃さずステップアップにつなげる。

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得意の連打で石月がスパーリングパートナーをコーナーに追い込む。スピーディーなキックも的確にヒットする。「いい状態です」。対戦相手の笠原は現在8連勝中でうち5試合がKO、TKO勝ち。「普通に格上」と認めながらも「のみ込んでやろうと思う」と闘志をみせる。

RIZINはボクシングに転向する那須川天心(23)も出場した格闘技界屈指のビッグイベント。会場はさいたまスーパーアリーナと、注目度の高いリングに新潟県在住の選手が立つのは石月が初だ。「さすがに、なんでオレ? と思った」と笑う。現在2連敗中だが打たれても前に出続けるスタイルにファンは多い。RISEスーパーフェザー級2位と地方ジムに所属しながらランキング上位に名を連ねる実力を関係者が認めた。

参戦の打診があったのは14日夜。KAGAYAKIの伊達皇輝代表(46)の電話に即答でOKした。約2週間ほどの調整期間も「試合前と同じ強度で練習してきたから大丈夫」。木曜日はボクシングの大翔ジム(十日町市)でフェザー級の石川優(33)とスパーリング。日曜日はキックボクシングのホライズンジム(新潟市)で喜多村誠(42)、田村聖(34=拳心館)の元日本王者と手を合わせた。競技、所属の垣根を越えた交流が練習の質を高めた。

昨年10月、RISEスーパーフェザー級暫定王者決定戦で一馬(32)に5回KO負け。今年4月は那須川のRISE最終戦の前座で常陸飛雄馬(24)に1回で倒された。試合はそれ以来。負けても応援メッセージがSNSなどに多く寄せられた。「このままでは終われない」。RIZINでの勝利が次の扉を開ける。【斎藤慎一郎】

◆石月祐作(いしづき・ゆうさく)1990年(平2)10月9日生まれ、三条市出身。三条第一中から加茂農林へ。高校中退後、15年に「KAGAYAKI」に入門。16年アマチュアの全日本トーナメント優勝。17年8月にRISEでプロデビューし、18年スーパーフェザー級新人王を獲得。20年8月にDBS日本ムエタイスーパーフェザー級、10月にKROSS×OVER同級のタイトルを獲得した。戦績16戦12勝(7KO)4敗。170センチ。血液型B。