元サッカー日本代表FWカズの次男で総合格闘家の三浦孝太(20=BRAVE)が、19日にタイ・ラジャダムナンスタジアムにて元K-1・MAX世界王者ブアカーオ・バンチャメーク(40=タイ)とキックボクシングのスパーリング形式となるエキシビション戦(3分3回)で対戦する。10日、都内の所属ジムで記者会見を開き、自らの口で発表した。スーパースターと拳を交え、ファイターの極意を吸収する。

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新型コロナ感染の隔離期間を終了した三浦は、白地のTシャツに身を包み、決意を新たにした。魔裟斗のライバルとして活躍し、04年、06年のK-1MAXを制したレジェンド、ブアカーオと、ムエタイの聖地で拳を交える。

初めてオファーを聞いた際には「さすがに実力差がありすぎると思った」と戸惑ったという。だが「人にはできない経験があると思った」と、決断に至った経緯を説明した。肘による打撃やKOにつながるような攻撃はなし。公開練習形式のエキシビション戦だが「恐怖でも何でも感じたものを吸収できれば」と目を輝かせた。

きっかけは1本の動画だった。ファンがSNSにアップした動画が東南アジアで大ヒットし、タイやベトナムなどのファンが爆発的に急増。昨年12月にデビューしたばかりだが、現地での人気がマッチメークを後押しした。話題の秘密は「自分で言うのはなんですが…ルックスなのかな」。現地にはファイターとしての三浦を知らないファンも多いという。「楽しみですね」と照れ笑いを浮かべた。

再起をかける戦いでもある。先月末に行われたRIZIN37大会でプロ2戦目を予定していたが、大会前夜に新型コロナ陽性判定を受け、欠場を余儀なくされた。あくまで自身の活躍の場は総合格闘技だと断言。次戦となる9月25日開催の38大会(さいたまスーパーアリーナ)を見据え、調整を続けている。

「止まっているわけにはいかない。この欠場を忘れずに整えていく。これからもよろしくお願いします」。20歳のリトルキングが、異国の地でリスタートを切る。【勝部晃多】