国内最高齢の現役プロレスラー、グレート小鹿(80)が、故ジャイアント馬場ゆかりのガウンをテレビ東京系の人気バラエティー「開運!なんでも鑑定団」で出品し、仰天の結末となった。16日に放送された番組内でゲスト出演した小鹿は、日本プロレス時代にジャイアント馬場がインターナショナルタッグ王者時代に入場時に着用していたガウンの鑑定を要請した。

「このガウンは1966年7月ごろに馬場さんと吉村道明さんがタッグ王座になったときに来たもの。2人おそろいで作り、当時としても高級なカシミヤ製で薄いブルーに桜の模様が入ったうつくしものだった」と小鹿。当時吉村の付け人だった小鹿が、吉村に「そろいのガウンをつくってはどうか」と進言して制作されたものだった。

そんなガウンを見つけたのは、アントニオ猪木とジャイアント馬場が去り、73年に崩壊した日本プロレスの残務整理の最中だった。倉庫の中に残っていた小鹿のトランクは、中身も確認せず、そのまま自宅の倉庫に眠っていた。昨年、中身を確認したところ出てきたのが、かなり傷んでいたガウン。小鹿は、自分の記憶をたどり、ジャイアント馬場が着ていたガウンと結論づけた。

その後は、修復のために京都の着物店に持ち込み、ポケットマネーでシミ落としなどを行った。そして、鑑定団で本物かどうかや価値を評価してもらい、馬場の地元新潟県三条市へ寄贈する計画をたてていた。

ところが、番組では意外な鑑定が出た。専門化が鑑定したところ、このガウンはジャイアント馬場ではなく、タッグ王者の相棒、吉村道明のものと判明。品物の値段は120万円と高額の評価を得たが、小鹿には三条市との約束もあり、がっかりの結果となった。

「あきらかにサイズが小さくて、馬場さんのものじゃないと専門家の方が判断されたんだよ。ボクも言われてみたら小さいなと思ったけど、馬場さんへの感謝の気持ちもあって気持ちが先走りして気付かなかった。馬場さんが天国で葉巻をふかしながら『小鹿、また失敗したな』って笑っているよ」と苦笑した。

それでも、これで終わらないのが小鹿。「もう1回リターンマッチしたい。馬場さんの当時の遺品は日本プロレスの財産、宝物だから。ファンに対してのいいニュースを出したいんだよ。でも結果的に、吉村さんのガウンが高い評価を得た。同じように日本プロレスの宝だからね」と巻き返しを誓っていた。