プロボクシング3団体(WBAスーパー、IBF、WBO)統一ヘビー級王者オレクサンドル・ウシク(35=ウクライナ)が「戦闘モード」に入った。20日(日本時間21日早朝)、サウジアラビア・ジッダで前3団体同級統一王者アンソニー・ジョシュア(32=英国)との再戦を控える。17日(日本時間18日)には同地で両者そろって最終記者会見に出席。昨年9月の初対決は12回判定でジョシュアを下して王者となったウシクは「初戦で多くのことを学んだが、今回はその続き。13回からだ。調整する時間は十分にあった。土曜日は素晴らしい試合になる」と自信を示した。

記者会見場にはウクライナ伝統の戦士コサックの衣装で登場した。既に髪形もコサックのオセレーデツィと呼ばれるスタイルにしていた。12年ロンドン五輪の男子ヘビー級で金メダルを獲得した際も同じ髪形だった。ジョシュアとの初対決時には丸刈りにしていたウシクが戦闘モードに入ったと言える。以前から「この髪形は私のイメージの1部ではなく、我々の歴史と文化へのオマージュ」と説明しており、母国愛を強く表現したとみられる。

2月から勃発したロシア軍の侵攻を受けてウクライナ軍のキエフ領土防衛隊に入隊している。最前線で戦う軍人、兵士から激励を受けているウシクにとって、今回のジョシュア戦は母国の仲間を勇気づけるためのファイトと位置付けている。

ウシクは「我々の人生はすべて、何か、誰かのための戦いです。だからこそ、我々は戦っている」と力強く口にした。記者会見でのフェースオフ(にらみ合い)でも時に余裕の笑みを見せるシーンもあるなど、ジョシュア連破に向けての自信をみなぎらせていた。