プロボクシングWBO世界フライ級王者中谷潤人(24=M.T)がスーパーフライ級初戦へ、すでに200回以上のスパーリングを消化した。11月1日、さいたまスーパーアリーナで、1階級上のWBO世界同級3位フランシスコ・ロドリゲス(29=メキシコ)との同級10回戦を控え、米ロサンゼルスで約2カ月間のロング合宿中。20日までにオンラインで報道陣の取材に応じた中谷は「本当にスーパーフライ級でトップの選手なので気合が入っている」と声をはずませた。

8月14日に渡米してから、主に午前中にスパーリングを消化。週3~4日、1日6回以上の実戦トレを積んでいるという。中谷は「本当にたくさんスパーリングやっているのですごく良い経験ができている。1週間前には12回もやりました。計200回ぐらいになるかな」と涼しい表情。「いろいろな人種の選手とやっているので特徴を探りながら、対応しながらやっています」と米国での実戦トレ効果を口にした。

ロドリゲスは21年9月にWBO世界同級王者井岡一翔(志成)に挑戦した経験のある元世界ミニマム級王者。井岡と競り合って判定負けしている。ボクシングファンから試合内容を比較されることも織り込み済みだ。中谷は「もちろん、比べられるということはあると思う。その時の最高のパフォーマンスを出したい。自分の長い距離で組み立てていければ」と意欲をみせた。

減量苦が少なくなることは中谷にとって大きなプラス材料となる。「本当にこれまで以上に力を発揮できると思うし、良いパフォーマンスを発揮したい。ワクワク感もある。スピードとパワーがつくと思う」とスケールアップしたファイトを見せるつもりだ。弟龍人マネジャーも帯同する米ロングラン合宿は10月3日に打ち上げる予定。その後、帰国して国内調整し、さいたまスーパーアリーナの大舞台に備える。

WBO世界フライ級王座は保持したまま、スーパーフライ級初戦に臨むという。来年以降の世界2階級制覇を見据え、中谷は「(スーパーフライ級の)チャンピオンなら誰とでもやりたい。段階的に良いパフォーマンスをしていけたら」と気合十分だった。【藤中栄二】