元サッカー日本代表FWカズの次男で総合格闘家の三浦孝太(20=BRAVE)が、昨年大みそか以来となるプロ2戦目を1回一本勝ちで飾った。

タイのブンチュアイ・ポーンスーンヌーン(22)と総合特別ルール3分3回で対戦。緊張した表情で登場したブンチュアイとは対照的に、侍ブルーのユニホーム姿の三浦は登場曲を口ずさむ余裕を見せて登場した。

笑顔で拳を合わせてスタートすると、試合はグラウンドポジションで展開。1度は抜け出されたが、足をかけて再びテイクダウンを奪うと、マウントポジションから右手を取って、腕ひしぎ逆十字固めを極めて一本勝ちを収めた。

試合後は「今日、会場に来てくれた方、PPVを買ってみてくれている方、本当にありがとうございます。まず前回、前々回と欠場が続いてしまって、応援してくれていた方や自分のことが嫌いでも見てみようかなと思ってくれた人を裏切って本当にすみませんでした。これからの試合で欠場を含め、しっかり勝ち進んで、アンチの人も応援してくれている人にも、応援してよかったと思われるような格闘技界の若きキングになるので、これからも応援よろしくお願いします」と叫んだ。

三浦にとっては、ただのプロ「2戦目」ではない。自身の存在をもう1度、格闘技ファンへアピールする戦いだった。5月は首ヘルニアで、7月末はコロナ感染により大会直前で欠場を余儀なくされた。8月にタイでエキシビションマッチを経験したが、公式戦のリングは昨年大みそか以来9カ月ぶり。「『こいつはもういいや』と思われた人にも、もう1回応援してもえらえるような試合をする」と決意は固かった。

端正なルックスで、東南アジアを中心に爆発的な人気を誇る。朝倉-メイウェザーのエキシビションマッチをメインに組んだ“世界規模”の「超(スーパー)RIZIN」への出場。それでも「実力よりも話題。海外の人気なども含まれている。そこは勘違いせずに、自分は自分の持っているもので最大限頑張りたい」と言い切る。おごることなく、しっかりと地に足を付けて臨んだ。

相手のブンチュアイは、18年にボクシングでプロデビュー。ボクシングは4勝2敗1分けで、ムエタイでも20勝17敗3分けの実績を持つ。総合の練習は、今年に入ってから開始したというが、打撃には自信を持っていた。身長は175センチの三浦よりも3センチ高く優れた身体能力も併せ持っていた。

いつも謙虚で前向きな姿勢を見せる20歳。父の存在が大きな支えとなっている。試合に出られない時には、心が折れそうにもなった。だが「頑張れ」といつも背中を押してくれた。三浦は「心の底からリスペクトを持てた」という家族へ、全力ファイトで感謝の気持ちを届けた。

着実な前進を誓う三浦だが、大きな野望がある。それは、主戦場のRIZINを「格闘技としてもエンターテインメントとしても(世界最高峰の格闘技団体の)UFCに勝る団体にする人物」になること。デビュー戦を勝利で飾った始まりの地「さいたまスーパーアリーナ」で、リトルキングが再びその歩みを進めた。

【超RIZIN】朝倉未来-メイウェザー、三浦孝太は1ラウンド勝利/ライブ速報>>