プロボクシングWBAスーパー、WBC、IBF世界バンタム級王者井上尚弥(29=大橋)が8年ぶりとなる1年間で2王者撃破へ、気持ちを高ぶらせた。13日に東京・有明アリーナでWBO世界同級王者ポール・バトラー(34=英国)との4団体王座統一戦を控え、横浜市内で最終調整。ミット打ちやドラムミット打ちで汗を流した。6月のノニト・ドネア(フィリピン)戦に続く、世界王者対決に向けて「今、やりがいをすごく感じています」と充実した表情を浮かべた。

14年には4月にWBC世界ライトフライ級王者アドリアン・エルナンデス(メキシコ)戦、12月にWBO世界スーパーフライ級王者オマール・ナルバエス(アルゼンチン)戦に勝利して2階級制覇している。8年ぶりの「1年間2王者撃破」を狙う井上は「しかも2試合とも王座統一戦ですからね」と強調。バトラー戦への気持ちを高揚させた。 11月28日には元WBC世界バンタム級暫定王者で現WBOアジア・パシフィック・スーパーバンタム級王者の弟拓真(26)とのスパーリングで実戦トレを打ち上げた。井上は「やっぱり拓真も強くなっているし、日頃、一緒にトレーニングして高いレベルを感じる。最後に拓真とスパーリングして4団体王座統一戦に向けてしっかり自分の気持ちを乗せていきたいと思った」と意図を明かした。試合日には拓真もジェイク・ボルネア(フィリピン)との55・5キロ契約体重10回戦を控えており、井上は「これが同じ日に試合できるメリット。気持ちも同じ」と手応えを示した。

試合が迫ったことを示すように、所属ジムの松本好二トレーナーのドラムミットを入念に打ち込んだ。井上は「松本さんのトレーナーのキャリアは長いですし、当を得たミットを持ってくれたり。自分のテンションを上げたい時期に持ってもらっている」と感謝。残り2週間を切り、体調管理を最優先するとし「細心の注意を払っていきたい」と神経を研ぎ澄ませていた。