東洋太平洋スーパーライト級6位の永田大士(32=三迫)が新王者となった。

初防衛戦だった同級王者の近藤明広(37=一力)に挑み、3-0の判定勝ちでベルト獲得に成功した。1回に右フックを浴びてダウンを喫したものの、中盤以降に猛反撃。6回に左目尻をカットして流血しながらも右ボディー連打など手数で攻め続け、壮絶な打ち合いに競り勝った。

永田は「近藤さんはいくら当ててもタフだったので動揺しましたが、そのおかげで冷静になれた。焦る自分を抑え、冷静にいけたと思う」と赤いベルトを手に安堵(あんど)の笑みを浮かべた。20年12月に両者は日本同級タイトル戦で拳を交え、永田が7回負傷引き分けで初防衛に成功。今回は王者、挑戦者の立場を入れ替えたタイトル戦だった。 近藤戦のテーマは「相手を観察すること。周りを見て平常心を保つことだった」と明かした。対戦相手と見合う「間が空く」と焦って攻撃する癖を改善してきた成果をみせ、攻守ともに落ち着いたファイトを貫き「やってきたことを信じた。マイペースでできた」と自ら及第点。所属ジムの三迫貴志会長は「精神面の成長があった。空回りして焦ることがなくなった。あんまり永田をほめたことがないけれど。初めてほめてあげたい」と評価した。

20年7月の日本王座獲得に成功。昨年6月に王座陥落したものの、今後は東洋太平洋王座を奪取と日本、アジアとステップした。永田は「さらに防衛を重ねて、もっと上を狙えるようにしていきたい」と意欲満々。三迫会長は「メンタルがようやく出来上がった。今度はテクニックを高めていきたい。引き出しは多いので、ステップアップして防衛戦を続けてもっと力をつけさせたい」と期待を寄せていた。