スポーツ界の発展に貢献した個人・団体を表彰する「第13回日本スポーツ学会大賞」授賞式が25日、都内で行われ、受賞者となるボクシング前WBA世界ミドル級スーパー王者村田諒太(37=帝拳)、受賞団体となる帝拳ジムの代表で元WBC世界スーパーライト級王者浜田剛史氏(62)が出席した。同ジムの初代世界王者となる元WBA世界フライ級王者大場政夫さんの50回目の命日という1月25日にボクシング界から初めての受賞となった。

村田は「普通の賞という華やかなものは、それでそれでうれしいけれど、(スポーツ学会大賞は)また違った喜びがある」と感慨深げ。浜田代表は「こんなに素晴らしい賞をいただき、本当にうれしく思います。この壇上に立つと、また来年ももらいたいなという風に思い続けてきます。選手育てるのは時間かかりますが、この壇上に立つために次から次と王者を育てていきたいと思います」と喜びを表現した。

22年は白井義男氏が日本人初の世界王者になった70年の節目で、プロボクシング統括組織の日本ボクシングコミッション(JBC)も70周年を迎えた。帝拳ジムは現存する日本で最も古いボクシングジムで、12人の世界王者をはじめ数々の名選手を育成・輩出するとともにボクシング興行「ダイナミックグローブ」を60年以上続けてきた。

また本田明彦会長は88年、90年と当時の世界ヘビー級王者マイク・タイソン(米国)の防衛戦を、米国以外で初となる日本での開催を2度も実現させるなど、海外での日本の評価・信頼を高めることに寄与したことも評価された。

同ジム所属の村田は12年ロンドン五輪ボクシング男子ミドル級の金メダリストになり、プロでも17年にWBA世界ミドル級王座を獲得。日本で初めて五輪の金メダルとプロの世界タイトルを手にする偉業を成し遂げた。また、対戦相手に対する敬意に満ちた対応は、フェアプレー精神の象徴として、ボクシングというスポーツの価値を高めたことも評価の対象となった。

◆日本スポーツ学会 1998年(平10)1月、競技団体の垣根を越えて市民レベルでスポーツを文化として考えようと設立。会員は競技団体、元選手、大学教授、企業、メディアの関係者ら幅広く、300人以上。年に数回、ゲストを招いて「スポーツを語り合う会」を実施。10年に「日本スポーツ学会大賞」を創設し、スポーツの発展に貢献した人物を毎年表彰(20年のみ実施せず)している。