サッカー、イタリア・セリエAの名門ACミランも注目した異色ボクサーが、初のタイトル戦に挑む。

ボクシング興行「3150FIGHT」を手がける亀田興毅ファウンダー(36)が3日、大阪市内のKWORLD3ジムで4月1日にエディオンアリーナ大阪第2競技場で行う「SURVIVAL vol.4」の発表会見を行った。今回は同興行で初のタイトル戦を3連発。会見で注目を引き寄せたのが日本スーパーフェザー級王者坂晃典(31=仲里)に挑む、同級1位の原優奈(28=真正)だった。

「天才サッカー少年でした」と自らアピールした通り、かつてはACミランが注目したMF。「自分の(サッカーの)ピークは小学生でした」。昨年のW杯でも活躍した日本代表FW南野拓実ともプレー。ACミランが獲得を前提にした静岡での合宿にも参加し、そこで“事件”が起きた。「親の関西弁をバカにされたのが腹たって」プレー中に相手選手の耳をかんだ。「素行が悪いということで」入団の道は断たれた。サッカーで「耳かみ」といえばウルグアイ代表FWスアレスを想起させるが「好きな選手ではない」という。

サッカーの「特待生」で進学した山梨の高校も“暴力行為”で1年で退学となった。「先輩に敬語とか好きじゃなくて。彼女をとったとかでもめてしばいてしまいました」。その後は「フラフラしました」とシンガポール、マレーシア、韓国を放ろう。帰国後はサッカーの経験を生かしてK-1選手を目指し格闘技の世界に活路を求めるが、最初に所属したジムがボクシングのみで「仕方なく」この世界に進んだ。

妹の原海七(22)はINAC神戸でも活躍したMFで現在は静岡SSUボニータに所属する。ただ、兄は「サッカーに未練は全くない。この世界でてっぺんを極めます」。写真撮影で頼んでもなぜかサングラスを外さない。何かおもろい“浪速のスアレス”は「ベルトとったろうかな、思います」と宣言した。【実藤健一】

◆原優奈(はら・ゆうな)1994年(平6)9月20日、大阪府島本町生まれ。幼少期からサッカーを始める。妹の海七もサッカー選手。高校を退学後、海外を放浪してK-1選手を目指して20歳でSFマキジムに入門もボクシングしかなく専念。その後、六島、渥美、千里馬とジムを移り、2年前に真正ジムへ。身長176センチの右ボクサーファイター。戦績は12勝(6KO)2敗1分け。