“リングの貴婦人”こと、女子プロレスSTARDOM(スターダム)の桜井まい(32)が、庶民の台所へ見返りを求めた。リング上、SNSで「富士そば」を連呼し続けてきた貴婦人様。バズったこともあり、「名代 富士そば」は、5月29日に未発売のカレーパン丼の試食をオファー。そして同31日、貴婦人様が渋谷道玄坂店に舞い降りた。カレーパンを玉子でとじた丼に、最初は困惑しながら「あら、おいしいわ」と意外にも、庶民の味にご満悦。「まいぱん丼にしてもよろしくてよ?」とコラボを快諾。商品化を勧めた。

普段からお高いおフレンチなどをお召しになる貴婦人様。高貴なお味を欲していた。コラボ第2弾として「貴婦人そばなんて、いかがかしら?」。そばの上に、A5ランクのステーキを載せる、奇抜なアイデアを披露。富士そば担当者は「焼く機材が…」と汗を拭った。カレーライス用にスプーンは常備してあるが、ナイフは置いていない。コストはかさむ一方なのだが…。お構いなしの貴婦人様。「フォアグラもいいですわね」と話は勝手に進んでいく…。同担当者は「期間限定…。一部店舗で…。利益度外視で…」と“ひれ伏し”た。

周囲にはセルフの水しかなく、お紅茶もない状況。貴婦人様のご機嫌が心配の中、お演説は止まらなかった。次にコラボTシャツの言質も取ると、さらに話を発展させた。「富士そば様。私、桜井まいのスポンサーになってくれても、よろしくってよ?」。直立不動だった同担当者たちの顔が、凍り付いたことは言うまでもない。「えぇっと…。上に確認します…」。絞り出すような声だった。貴婦人様へのスポンサー料。想像するだけで震えるのだが…。

ただ、無理難題を押しつけるだけではなかった。庶民の味方の高貴な女性であった。「私が、一日店長をやるのはいかがかしら? ご来店してくださった庶民の皆さまには、何人かに富士そば様のカップそばをプレゼントしますわ」。店と客の相乗効果までお気遣いになる寛大さを示してくださった。「庶民の皆さまは、カップ麺お好きでしょ?」。嗜好(しこう)まで理解してくださっている。これには、同担当者も「ありがとうございます。頑張らせていただきます」とハートを打ち抜かれたよう。自然に「貴婦人様」とあがめていた。スポンサー計画は、1歩前進といったところだろうか。

これまでスターダムの選手は、その美貌を生かし、化粧品などとコラボすることはあった。“女帝”舞華は酒とタッグを組んだことがあったが、「食」に限れば、スターダム史上初の偉業となるようだ。貴婦人様は「あら、そうなのですか? そうなれば光栄ですわ」と高らかに笑った。

2日には、スターダム品川大会(品川インターシティホール)で、高橋奈七永との「パッション注入マッチ」を控える貴婦人様。「このたびは、庶民の味をたしなんだことで、私には理解出来なかった、おパッションが、何か分かりましたわ。ですので、勝利はいただきますわ」と、ほほえんだ。戦いを前に富士そばへ、社交界を注入した貴婦人様。上機嫌だったことは言うまでもない。異世界過ぎるコラボは、この先、どんな結末を迎えていくのか…。貴婦人様への見返りは、どうなるのか…。