WBO世界スーパーフライ級王座決定戦は同級1位の田中恒成(28=畑中)が、大差判定勝ちで、史上最速の21戦目、日本選手3人目の4階級制覇を成し遂げた。同級2位クリスチャン・バカセグア(26=メキシコ)から8回にダウンを奪うなど圧倒。今後は唯一の黒星を喫したWBA同級王者井岡一翔(志成)もターゲットに、4団体ベルト統一を目標に掲げた。WBC世界バンタム級タイトル戦は挑戦者の同級1位中谷潤人(26=M・T)が6回TKOで3階級制覇を達成。WBA世界バンタム級王者井上拓真(28=大橋)はKOで初防衛に成功した。

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強烈な一撃でとどめを刺した。9回。接近戦で競り勝ちながら井上が、強烈な右ボディーアッパーをアンカハスに返した。最後はアンカハスのみぞおちに右ボディーアッパーをねじ込んで仕留めた。

井上 過去一の強敵で当日まで不安でいっぱいだった。勝てるか負けるか、極限の状態で練習してきた。今日は本当に最高です。

昨年4月、元世界王者リボリオ・ソリス(ベネズエラ)に判定勝利。約4年5カ月ぶりに世界王座に返り咲いた。試合動画を見直すと「ずっと一定の試合で、見ているお客さんが退屈するような内容だった」と反省した。昨年11月もろっ骨を骨折し、延期の憂き目に。全治1カ月だったが、2週間後から走り始めた。次第に意識が変わった。

井上 偉大な兄と比べられる。兄弟である以上は自分も盛り上げられる試合がしたい。世界王座を9度防衛している強豪相手にこういう試合内容で変えることができた今後の自信になりました。

いつもは手厳しい父真吾トレーナー(52)も「意識が変わり、引き出しと幅が広がってきたと思う」と及第点を出した。所属ジムの大橋秀行会長(58)は「今日は兄を超えた。壁を突き抜けた」と成長した井上の勇姿を絶賛した。

2度目防衛戦は同級1位石田匠(32=井岡)との指名試合に内定済みだ。4団体統一スーパーバンタム級王者の兄尚弥は5月6日、東京ドームでWBC同級1位ルイス・ネリ(29=メキシコ)と臨む防衛戦が最終調整中。来月中に発表される予定だ。19年11月以来の兄弟同時世界戦実現を希望している。「目標は4団体統一。負けられない重圧もあるが、勝ち続けることが自信につながる」と井上。世界戦での初メイン勝利、初防衛成功、初KO勝ちと「トリプル初」を達成。トリプル世界戦の大舞台で、自らの覚醒を証明した。【藤中栄二】

【ボクシング】王者井上拓真が強敵撃破で初防衛に成功 9回KO勝利/世界戦ライブ詳細