プロボクシングWBC世界バンタム級王者中谷潤人(26=M・T)が、WBCマウリシオ・スライマン会長から「WBCの顔」に指名された。26日、東京・文京区の日本ボクシングコミッションで来日中のスライマン会長と初対面し、WBC世界バンタム級王座ベルトを贈呈された。同会長から「WBCの顔として、これからも頑張ってほしい」と最大級のエールを送られた中谷は「期待を上回っていけるようにこれからも試合で発揮していきたい」と決意を新たにした。

中谷は2月24日、東京・両国国技館で王者アレハンドロ・サンティアゴ(メキシコ)を6回TKO撃破し、WBC世界同級王座獲得と世界3階級制覇を成し遂げた。スライマン会長からは「何年も前から中谷選手のことを見守ってきた。日本を離れ、米国で練習し、身長とリーチのアドバンテージを生かしたボクシングで完璧に近づいている」と期待。昨年5月、アンドルー・モロニー(オーストラリア)とのWBO世界スーパーフライ級王座決定戦で相手を失神に追い込む12回TKO勝ちを挙げ「あのKO劇は今までみた試合の中でも完璧な試合だったと思う」と絶賛された。

過去には辰吉丈一郎、長谷川穗積、山中慎介、井上尚弥ら日本の名王者たちが巻いてきたWBC世界バンタム級王座のベルト。フライ級、スーパーフライ級はWBO王座だったこともあり、中谷は「小さい頃から見てきたWBCベルト。歴代の日本人王者が手にしてきたベルトなので、会長から直々にいただいて光栄ですし、これからのキャリアの励みになる」と笑顔をみせた。

贈呈式前にもスライマン会長と懇談。歴代デザインの小型レプリカとなるWBCベルトもプレゼントされた。WBC王者としての意識を高めた中谷は「評価をいただいてうれしい。それ以上にパフォーマンスをこれからも発揮していかないといけないという思い」と気持ちを引き締めていた。【藤中栄二】