ナイジェリア育ちの銀行マンボクサーで東日本ライト級新人王の細川バレンタイン(27=宮田)が、全日本新人王を獲得して同ジムの先輩でWBC世界フライ級王者内藤大助(34)の防衛戦に弾みをつける。プロボクシングの全日本新人王決定戦は21日、東京・後楽園ホールで行われる。20日の計量では、全12階級の選手がパスした。

 西日本同級新人王の浦秀晃(竹原)と対戦する細川は、4年前に宮田ジムに入門して以来、内藤からさまざまなアドバイスを受けてきた。今回も坂道、階段ダッシュなど、一緒に練習。「内藤さんと同じメニューをこなしてきたので、スピード、スタミナがついた」と自信を見せた。

 異色のボクサーだ。ナイジェリア人の父と日本人の母の間に生まれた。ナイジェリアの高校卒業後は、英国のケンブリッジ大に合格したほどの秀才。金銭的な都合で入学はできなかったが、現在は大手外資系銀行で金融業務をこなす。

 試合当日には、内藤はもちろん銀行の仕事仲間も来場する予定。2日後には内藤の4度目の防衛戦も控える。「内藤さんに勢いをつけるためにも勝ちます」と必勝を誓った。