元不良対エリート電通マンが激突だ。K-1を主催するFEGは4日、23日の「K-1

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 2009」(代々木第1体育館)のオープニングファイトで我龍真吾(33=ファイティングマスター)と大渡博之(32=正道会館)が対戦すると発表した。10代はけんかに明け暮れたという我龍は「なめんじゃねーぞ」と、早大卒のエリート会社員に闘志をむき出しにした。

 「自分流で行く龍」の名の通り、我龍は会見で「オレ流」を貫いた。白地に龍の特攻服。写真撮影では、大渡をにらみつけた。「とりあえずヤンキー代表みたいになってるのでがっちり倒したい」と語気を強めた。

 かつてはただの不良だった。「中学時代から警察にはお世話になっていましたね」。18歳で結婚。子供も授かったが、目が合うとけんかをした。95年に上下白の作業服で歩いていると、地下鉄サリン事件後だったために警察官に不審者と間違われた。口論の末に殴って骨折させてしまい「20歳を超えたら格好悪いしできない」と、けんかをやめた。しかし、平穏な日々に物足りなさを感じ始めていた2年後、偶然キックボクシングジムの看板を目にした。「人を殴って勝ったら褒められた。天職と思いましたね」と居場所を見つけた。

 だからこそ何事にも妥協しない。離婚を3回経験し、子供は8人いるが、週2、3回は朝食づくりから学校の送り迎えまでこなす。同時に仕事に練習とハードだが、我龍は「忙しいなんてものじゃないですよ」と笑い飛ばした。キックボクシング団体J-NETウエルター級王者だが、K-1では現在3連敗中。「やられまくっているので、ばちっと勝ちたい」と気合は半端ではない。

 「勉強が嫌いで逃げたタイプなので(大渡は)素晴らしいと思う。でも、勉強できなくても得意なことをいかしてやれるんだってのを今のやつらに見せたい。一生懸命打ち込んでれば、こうなれるよって」。元不良からはい上がってきた我龍が、根性と実力を見せつける。【浜本卓也】