放駒部屋入門の記者会見を実施した新弟子候補が、角界入りを取りやめる珍事があった。
大相撲夏場所(10日初日、両国国技館)の新弟子検査が1日、東京・両国国技館で行われ、11人が身長167センチ以上、体重67キロ以上の体格基準を満たした。しかし、受検者リストにあった12人中、白神嶺治さん(23)だけ検査を受けなかった。
放駒部屋関係者によると、白神さんは大相撲への意欲がなくなり、すでに地元北海道に戻り、入門は白紙となったという。
東洋大学相撲部出身の白神さんは4月20日に、放駒親方(元関脇玉乃島)同席のもと、本人の希望で入門会見を開いたばかり。地元北海道からテレビ局などが取材に訪れた場で、「後悔したくない」と決意を話していた。
札幌市西区出身の白神さんは、少年相撲団の指導者である父・治さんの影響で、相撲を始めた。中学は強豪校として知られる金沢・鳴和中に相撲留学。高校も名門・金沢市立工でキャリアを積んだ。しかし、東洋大3年時に左膝前十字靱帯(じんたい)断裂。復帰後は思うような相撲が取れなかった。
大学卒業後は父が経営する土木会社に勤め「現場で穴を掘っていました。井戸を3、4本」と話していた。その期間で古傷も徐々に癒え、相撲に対する思いが増してきたと明かしていた。
入門後、大部屋での生活や雑用、稽古の厳しさなど、想像していたものとは食い違いがあった模様。すでに23歳ではあったが、日本相撲協会がアマチュアの経験を考慮して受検資格を承認していた。この経緯があったため、放駒親方はこの日、協会に報告に訪れていた。
白神さんは会見で「まずは関取になれるように」と意気込んでいたが、力士になる前のわずか10日間で方向転換してしまった。

