ボクシングのWBA世界フライ級11位の亀田大毅(20=亀田)が、同級王者デンカオセーン・カオウィチット(33=タイ)と来年2月7日に兵庫・神戸ワールド記念ホールで再戦することが15日、決定的になった。大毅は10月6日、デンカオセーンに挑戦して0-2の判定負けに終わり、陣営は判定を不服としてWBAに提訴。これを受けてWBAは11月の総会で再戦を認め、両陣営が交渉に入っていた。大毅の世界挑戦は3度目で、王座奪取となればWBC世界フライ級王者の兄興毅(23)と、日本初の兄弟世界王者の誕生となる。

 大毅の3度目の世界挑戦となるリベンジの舞台は、生まれ育った大阪にほど近い神戸になりそうだ。ボクシング関係者によると、亀田陣営とデンカオセーン陣営が、来年2月7日の世界戦開催に向けて最終調整。18日にWBC世界バンタム級王者長谷川が10度目の防衛戦を行う神戸ワールド記念ホールで再戦することで、ほぼ固まった。

 10月6日の世界戦で、大毅はデンカオセーンに0-2で判定負けした。その判定を不服として、亀田陣営はすぐにWBAに提訴した。11月にはWBA総会(コロンビア)で再戦を認められ、両陣営が交渉を開始。当初は来年1月下旬の再戦を目指したが、試合間隔なども考慮して2月7日の開催でまとまった模様だ。

 両選手ともに、10月の世界戦後は試合を行っていない。すぐに再戦となるのは異例だが、大毅は直接再戦できると信じて、練習を続けていた。先月29日の兄興毅の世界戦前には「仮想内藤」として練習パートナーも務めた。今月7日に都内で開催された興毅の祝勝会では「僕は三度目の正直の世界戦に向けて動いてもらっている。お兄ちゃんに負けないぐらいの感動を与えられるように練習しています。チャンピオンになります」とあいさつしていた。

 初の世界戦となった07年10月の内藤戦では大差の判定負けに終わり、相手を投げるなどの反則行為で世間の非難を浴びた。今年10月には地元大阪で2度目のチャンスを生かせず、悔し涙を流した。3度目の世界戦に向け、猛練習で準備を整えているようだ。

 兄興毅が来年2月までに防衛戦を行う可能性は低く、大毅が王座獲得なら、日本初の兄弟世界王者の誕生だ。3兄弟全員が世界王者となる-。亀田家の夢の実現に向け、大毅の真価が問われる一戦になりそうだ。