昨年9月に引退した大相撲の元関脇若の里の西岩親方(39=田子ノ浦)が28日、東京・両国国技館で行われた襲名披露大相撲で断髪式を行った。

 現役横綱の白鵬(31=宮城野)、日馬富士(32=伊勢ケ浜)、弟弟子の大関稀勢の里(29=田子ノ浦)はじめ、親方衆では一門の二所ノ関親方(59=元大関若嶋津)らが出席。角界以外でも、横綱土俵入りでは太刀持ち、露払いを務めた元横綱3代目若乃花の花田虎上氏(45)、前首相の野田佳彦氏、元プロ野球投手の桑田真澄氏、日本サッカー協会前会長の大仁邦弥氏、元プロボクサーの内藤大助氏、漫画家のやくみつる氏ら約370人がはさみを入れ、最後に師匠の田子ノ浦親方(39=元前頭隆の鶴)が、大銀杏(おおいちょう)に止めばさみを入れた。

 断髪式は、今年1月の元豊真将の立田川親方が行った“回転式”で行われた。通常の断髪式は、マゲを切られる本人が正面を向いて座ったまま実施される。だが回転式では全席の観客に見やすくするため、正面→東→向正面→西→正面と向きを変えながら断髪式が進行した。

 断髪式を終え整髪した西岩親方は「風呂に入ってビックリした。頭に髪がないんだもん」と、おどけながらも「寂しい気持ちと今から新しい人生だという新鮮な気持ちと(入り交じって)複雑な心境」と語った。今後の力士育成については「引退して今日までは、断髪式の準備で忙しかったから、これから考えたい」としながらも「自分は土俵の鬼の系統で育っている。指導する上で、初代若乃花、隆の里(先代師匠の鳴戸親方=元横綱)、そして私の若の里をミックスしたような指導方法になると思う」と抱負を語った。