日本相撲協会は16日、春日山親方(40=元前頭浜錦)が年寄辞任届を提出し、退職したと発表した。人材育成業務の委託契約を結び直すために必要な年寄名跡証書の預かり証を、期限の同日までに出せなかった。

 春日山親方に聞く

 -協会に届は

 春日山親方 本日10時に控訴審で和解協議をしましたが和解には至らず、本日の協会への証書提出はできませんでした。先ほど退任届けを出しました。理事長宛てにです。「分かりました」ということでした。退職ということです。

 -心境は

 春日山親方 納得はいかないですし、悔いも残るし複雑を言えば複雑です。

 -和解に至らなかった最大の要因は

 春日山親方 金額です。

 -ここまでの相撲人生は

 春日山親方 子供の頃から相撲を取って大学に入って、それなりに能力はあるから、力を試したいがためにこの世界に入った。自慢できる成績ではないが、この世界に入っていろいろと経験できた。

 -親方として

 春日山親方 元々、残れないものを残してもらって5年ちょっと、貴重な経験をさせてもらった。

 -引退した弟子もいた

 春日山親方 先月12月末に、14人が断髪した。声援者のおかげで就職先も決まった。今度は自分が同じようになった。今後、何が出来るか決めていない。

 -来月にも引き続きの裁判がある

 春日山親方 裁判が完全に終わったわけではない。それを踏まえて、今後のことも大事。しっかりやりたいと思う。

 -弟子たちには

 春日山親方 引退した14人も残った9人も一生懸命、頑張っているし世話人、行司さん、床山さん、呼び出しさんもいる。その子たちを含めて一生懸命、やってほしいなと思う。

 -追手風部屋に移籍した9人に対しては

 春日山親方 自分は協会員でなくなる。陰ながら応援するしかない。個人的にアドバイスを求められれば話しぐらい出来るだろうけど、指導することは出来ない。応援するしかない。

 -長かったここまでの裁判を振り返って

 春日山親方 なぜ、こうなったのかの1番の理由は(年寄名跡証書の)金額が高すぎたこと。どんな支払い方法があるか、金額は具体的にどれぐらいか、最初から(協会が)取り決めを作ってくれていたら、このようなことにはならなかったと思う。今後、自分以外に他の人にも起こり得る可能性がある。何らかの取り決めを作っていただき、自分のように部屋を閉鎖されたり、退くようなことがないようにしてほしい。