大相撲の第55代横綱で、一昨年の11月に死去した北の湖前理事長の銅像が完成し1日、神奈川・川崎大師で除幕式が行われた。

 除幕式には、日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)や貴乃花(元横綱)、春日野(元関脇栃乃和歌)、出羽海(元前頭小城ノ花)、部屋を継いだ山響(元前頭巌雄)の各理事はじめ出羽海一門、貴乃花一門の親方衆が出席。力士会会長の横綱日馬富士(伊勢ケ浜)も列席した。

 銅像は、彫刻家の山本真輔氏が制作にあたり、台座を含め高さ約3メートル(身体部分は2メートル5センチ)、重さ900キロの重厚感あふれるものに仕上がった。故人のとみ子夫人によれば、既に故郷の北海道・壮瞥町に力士姿の銅像があるため「紋付き姿で建てていただきたいと願って」理事長時代の銅像となった。「目は横綱時代の若かりし頃をイメージしたので、ちょっとハンサムになりました」と笑みも浮かべながら、とみ子夫人は「(川崎)大師様がある限り、100年も1000年も親方の姿を見られる。最高の喜び、感謝でいっぱいです」と感無量の表情で話した。銅像の向かって右側には、雲竜型で横綱土俵入りする写真が「公益財団法人初代理事長」と刻まれた文字とともに備えられており、数十年後に訪れる参拝客が「北の湖」の名前を知らなくても「横綱から理事長になった人だと思ってもらえるから、どうしても作りたかった」と説明した。

 除幕式では、とみ子夫人が「北の湖敏満 永久(とわ)に」と題した、詩吟を披露。「結婚前に詩吟は習っていました。この日のために習っていたのかな、という気持ちでやりました」と話した。また、除幕式後には三回忌法要も営まれ、故人をしのんだ。