新小結の阿武咲(21=阿武松)が、横綱日馬富士を破って白星発進した。

 立ち合いから頭をつけて押し込み、一瞬の隙を突いてはたき込み。前のめりになった相手に手をつかせた。「しっかりと当たることを考えた。滑って流れたけど、落ちない自信はあった。しっかりと見えていたし、相手の手がつくのが見えた」と、勝利の瞬間を振り返った。

 今場所から締め込みの色を、従来のエンジから「初心を忘れないように」と紺に変えた。地味な黒まわしで関取を目指していたころの気持ちと、落ち着いた取り口を目指して、新三役の今場所を節目と考えた

 。初日は土俵入り前に協会あいさつで会場に姿を見せるなど、これまでとは違う流れになったが「引き締まった。緊張はなかった」と、初めて経験する初日の結びの一番にも動揺はなかった。

 2日目は再び横綱との対戦が待つ。稀勢の里との初顔合わせとなるが「楽しみです。勝ち負けどうこうの前に、明日(2日目)の自分のやるべきことに集中したい」と、無心で挑むつもりだ。