日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)と横綱白鵬関は大相撲九州場所千秋楽の26日、横綱日馬富士関(33)の暴行問題に言及し、異例の謝罪をした。八角理事長は協会あいさつで「ご心配、ご迷惑をお掛けしたことを心よりおわび致します」と述べ、「一日も早い解決」に努める意向を表明。40度目の優勝を果たした白鵬関は土俵下でのインタビューで「力士代表としておわび致したい」とし、事態を究明して「うみ」を出し切ることが必要との考えを示した。

 暴行問題は鳥取県警が傷害容疑で捜査中。27日には東京都墨田区の両国国技館で日本相撲協会の諮問機関、横綱審議委員会(横審)の定例会合が開かれ、議論される。28日は八角理事長がスポーツ庁で鈴木大地長官と会談、30日に協会の定例理事会も開催され、究明に向けた取り組みが本格化する。

 協会の危機管理委員会(高野利雄委員長=元名古屋高検検事長)は日馬富士関らから聞き取りを行ったが、暴行を受けた平幕貴ノ岩関(27)への事情聴取は師匠の貴乃花親方(元横綱)が拒否。協会は早期解決を目指しているが調査がなかなか進展しない面もあり、横審や理事会では中間報告にとどまりそうだ。

 日馬富士関の師匠、伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)は26日、日馬富士関が12月3日に長崎県大村市で始まる冬巡業を全休すると明言した。九州場所の途中休場理由である左腕の負傷が原因としている。

 白鵬関は横綱鶴竜関らと共に、日馬富士関が貴ノ岩関を暴行した10月下旬の鳥取市内での酒席に同席しており、27日以降に鳥取県警の事情聴取や、危機管理委の聞き取りに応じる意向。

 白鵬関は「場所後に真実を話し、うみを出し切って日馬富士関と(被害者の)貴ノ岩関を再び土俵に上げてあげたいと思う」と話し、同じモンゴル出身力士復帰の希望にも言及した。

 八角理事長は報道陣に対し「お騒がせしたのは事実だ。早急に解決できるように頑張る」と決意を表明した。

 九州場所は福岡市博多区の福岡国際センターで行われた。