27日開催された横綱審議委員会(横審)から「不可解」と指摘された貴乃花親方(元横綱)の真意が、その肉声で明かされた。前日26日の九州場所千秋楽打ち出し後、宿舎がある福岡・田川市で後援者約100人を集めてのパーティーを開催。冒頭のあいさつで約20分、説明した。終了後、同親方は北九州空港から27日午前1時半に羽田空港へ帰京。江東区内の部屋で一夜を過ごしこの日午後2時半、報道陣でごった返す部屋をハイヤーで出発した。

<あいさつの要約>

 貴ノ岩の件は基本的に警察の捜査が進展しているのでマスコミからの接触にも一切、お答えしていません。稽古場で少しきつめに稽古した、いわゆるしごきでなく夜の街でケガをしたということで、たくさんの臆測が飛んでいます。

 今回の事件は、たまたま貴ノ岩が傷を負ってしまった。これが他の部屋の力士が傷を負ったとしても同じように正面を切って警察に申し上げます。これが私の信念。協会員、力士が傷を負ったのであれば、それをすぐさま捜査してもらい、どのような状況で行われ、誰が被害者で誰が加害者か正当に裁きをしていただかなければならないというのが巡業部長としての責任。仮に私の弟子が他の力士に危害を加えたのであれば、もっと公にして捜査をお願いしていたでしょう。

 貴ノ岩の容体は、普通に転んだり普通に殴られたりしてできるような傷ではありません。最初隠していた本人から傷口を見て、私が早期に行動を起こしたまでです。現状はまず鳥取警察署に相談し、そこからすぐに県警に上がった。地元の警察の方々も、私の意思をくんでくださり、捜査してくださっております。捜査状況は存じ上げません。

 報道の方々は私に、しゃべれ、しゃべれと話してくる。ただ、しゃべればしゃべるだけ、貴ノ岩の傷が癒やされない状況になっていく。これは間違いありません。これは私が入門した時から、マスコミさんとの付き合いの中で学んだこと。とにかく貴ノ岩が元気な姿で戻ることです。

 私は自分の弟子で、本気で相撲道に向き合う力士しか育てたくありません。決して相手を傷つけることなく、勝負が終わった時には手を差し伸べられるだけの度量、器量を身につけさせたい。たたかれようが、さげすまされようが、どんな時でも土俵にはい上がれる力士を育てて参ります。そのためにも、私自身も親方、師匠として腰引くことなく、身を引くことなく、真っすぐと向き合って、皆様のご支援に報えるよう精進してまいります。