暴行問題を起こした元横綱日馬富士関の引退から一夜明けた30日、東京都墨田区の両国国技館では日本相撲協会の定例理事会が物々しい雰囲気で開かれた。暴行を受けた平幕貴ノ岩関の師匠、貴乃花親方(元横綱)は問題発覚後、一部メディアを除いて報道陣に対応しておらず、言動に注目が集まったが、この日も取材に応じなかった。

 閑静な住宅街にある江東区の貴乃花部屋前には午前中から多くの報道陣が集まり、警察官5人で交通整理。正午すぎに両国国技館へ向かう際、取材陣からの「親方!」との呼び掛けに目もくれず、車に乗り込んだ。

 理事会では、協会の危機管理委員会が貴ノ岩関を聴取することを拒否し続けていた姿勢を変え、鳥取県警の捜査終了後に協力する意向を示した。問題の対応のため巡業部長でありながら12月3日からの冬巡業の不参加が決まった。

 通常より大幅に長い約3時間半の理事会終了後、現役時代に“平成の大横綱”と呼ばれた貴乃花親方は表情を変えずに無言。夕方に部屋に戻った時も警察官の交通整理を受けながら、報道陣の質問に反応しなかった。