大相撲の元横綱日馬富士関による暴行事件を受け、日本相撲協会の諮問機関、横綱審議委員会(横審)の臨時会合と協会の臨時理事会が20日、東京都墨田区の両国国技館で開かれた。理事会後の会見では、横綱元日馬富士の貴ノ岩の暴行事件の現場に同席した横綱白鵬、横綱鶴竜への処分を八角理事長が発表した。

 白鵬は1月の給料を全額不支給、2月は50%カット。鶴竜についても1月は全額不支給とした。

 なお八角理事長の発言は以下の通り。

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 まずは日馬富士については、横綱審議委員会においての諮問結果を踏まえて、理事会としても引退勧告相当であることを確認いたしました。すでに、引退したので、処分を行えませんが、今後の横綱のような番付上位の力士が、暴力を振るった場合は、引退勧告が処分の基準となります。重たい前例となります。

 日馬富士への功労金についても協議しました。今後の検察の処分などを踏まえながら、規定の金額から減額を検討することとなりました。減額の幅は検察の処分などを見ながらということで、今日のところは決まっておりません。今後、理事会で審議します。

 次に白鵬は、来年1月の給与の全額を不支給、2月の給与を50%カットとします。つまり、白鵬は給与無しで初場所に出場することになります。翌月の2月の給与は半分とします。

 白鵬の処分理由は、最高位の横綱でありながら、目の前で起きた同じ横綱の暴力を防ぐことができなかったことにあります。白鵬は第一人者でありながら、暴力を防げず、大相撲の信用を失墜を招きました。その責任は軽くないと考えました。

 続いて鶴竜。鶴竜は来年1月の給与の全額を不支給としました。鶴竜の処分理由も白鵬と同じです。最高位の横綱でありながら、目の前で起きた同じ横綱の暴力を防ぐことができなかったことにあります。ただし鶴竜は白鵬に比べれば責任の程度は若干軽いと言えるので、処分に差をつけました。

 白鵬と鶴竜についての補足です。暴力を振るったものは、当然、許されませんが、その場に居合わせて、暴力を防げなかった者にも責任があると考えました。その点を再発防止の観点から、はっきりさせるために、2人の横綱に処分を行いました。白鵬と鶴竜に対する処分は、理事会の特別決議となります。全会一致で決議されました。