4場所連続休場中の横綱稀勢の里(31=田子ノ浦)は、西前頭2枚目琴奨菊に突き落とされ3敗目を喫した。土俵で転がった後は膝を立てながら、ぼうぜん。立ち合いで左を差し、得意な形に持ち込もうとする矢先、琴奨菊にあっけなく突き落とされた。これで通算対戦成績は30勝36敗だが、大関昇進後に限れば対戦前まで18勝9敗と得意としていた。それだけに、支度部屋では「相撲勘が戻っていないのか」と質問され「うーん、そうですね」と答えた以外はほとんど無言。逸ノ城に敗れた前日3日目と、ほとんど同じ光景が広がった。

 場所前は弟弟子の大関高安や、出稽古でこの日白鵬を破った嘉風らと三番稽古を重ね、圧倒していた。体力や実戦感覚を上げ、徐々に4場所連続休場からの復調に手応えを感じていた。この日の朝稽古後は「いい状態でやっているけど、なかなか」と、仕上がりに自信はあるが、結果が伴わず歯がゆい心境を吐露した。

 4日目までに3敗を喫した横綱は、平成以降では99年初場所の貴乃花だけが勝ち越している。5場所連続休場の可能性も漂い始めた。【高田文太】