日本相撲協会は「研修ウイーク」最終日の16日、東京・両国国技館で全年寄、力士を対象に、箱根駅伝4連覇を達成した青学大の原晋監督(50)を講師に招いて研修会を行った。年寄、力士の2部構成でそれぞれ約1時間ずつ行われた。

 力士に向けた講習会では冒頭に「マスコミに来てもらえるのは当たり前のようで当たり前ではない。箱根駅伝も注目を浴びるがその代わり、逆に何かやらしかたらバッシングをされる。なぜなら多くの皆さんに愛されているから。皆さんも多くの皆さまに愛されているんです。そういうことは裏切られない」と強い口調で訴えた。

 冒頭のみの公開となった研修会後に原監督は、覚悟、コミュニケーション能力、ビジョン、目標設定の4つの視点で話をしたことを明かした。コミュニケーション能力に関しては「体罰の1つの要因が双方の思いが通じ合っていない。コミュニケーションが欠けているんじゃないかと思う」と、角界で途絶えることのない暴力問題の原因の1つと分析した。

 最後に「今の若い子が不祥事が続く中(角界に)魅力を感じるでしょうか。かっこいい力士、強い力士、国民から愛される力士、尊敬される力士、そういう世界に若者は夢を感じて入り込むんじゃないですか」と持論を展開した。