初日から3連敗と苦しい土俵が続いていた新十両で東十両14枚目の貴公俊(20=貴乃花)が、全敗同士の対戦で同11枚目の矢後(23=尾車)を寄り切りで破り、うれしい関取初白星を挙げた。

 相四つの対戦で、左四つの体勢で終始、寄り立てた。一昨年のアマ横綱で、自分より27キロ重い176キロの矢後に残り腰で粘られたが、最後も右上手を引きつけて、こん身の力で寄り切った。

 前日までは「集中力、気持ちがそのまま相撲に出てしまった。きのうも立ち合い、気持ちが入らなかった」と反省。何とか切り替えられたのか「今日はうまく持っていけました」と、体と気持ちがかみ合っての勝利を喜んだ。

 角界史上初の双子関取として十両の番付に名を連ねる弟貴源治(20=同)は、自分の2番後に登場。青狼(錣山)に敗れ、双子兄弟アベック白星こそ、5日目以降にお預けとなったが「これでやっと初日が出たので、他のことは考えずに攻めることだけを考えて残りの相撲を取りたい」と話した。負け越せば再び幕下陥落の苦しい状況の中、8つの白星を目指す。