4日に開催された京都府舞鶴市での大相撲春巡業で多々見良三市長が倒れた際、救命処置の女性が土俵から下りるよう場内放送で促された問題で、日本相撲協会は5日、八角理事長(元横綱北勝海)が今後可能になれば市長へのお見舞いと、女性へのお礼と謝罪を直接行う意向であることを明らかにした。

 5日は興行担当者の松ケ根親方(元幕内玉力道)が理事長ら執行部に経緯を報告した。取材対応した尾車事業部長(元大関琴風)によると、場内放送をしていた若手行司は、女性が土俵に上がったことを疑問視する声が観客の間から出たためアナウンスしたと説明。尾車部長は「慌てていて、とっさに言ってしまったようだが言い訳はきかない。どんな時も人命が第一」と釈明した。救命処置や場内放送などの指導を徹底していく姿勢も示した。

 尾車部長によると、救命に当たった女性は看護師だったという。この若手行司は巡業先の兵庫県姫路市で「僕は何も言えない」と話した。

 市長が搬送された後、協会関係者が土俵に塩をまいたという一部報道について、尾車部長は稽古や本場所で力士がけがをした後などにまく慣例に従ったことを強調した。