東十両8枚目照ノ富士(26=伊勢ケ浜)が、西十両13枚目翔猿(26=追手風)に負けて、幕下陥落が確実になった。4日目に左膝外側半月板損傷で休場して11日目から再出場したが、今場所はいまだ白星がない。元大関の幕下陥落は昭和以降初となる。

 立ち合いで翔猿に右に動かれたが、すかざす反応。中に入ろうとする相手を押し返そうと抵抗するも、押し返せずに入られて押し出された。大関時代の力強い相撲とは程遠い相撲内容が続くが「今日はちょっとはやれた」と振り返った。

 一瞬、明るい表情が見えかけたが「ケガだけではない。ケガだけなら乗り越えられる」とポツリ。膝の負傷だけではなく、糖尿病や腎臓結石なども患っており「神様が治してくれればね。治すのは自分だけど」と悲愴(ひそう)感がにじみ出ていた。それでも最後は「(自分は)気持ちで変わる人だからね。気持ちでやってる人だからね」と、自らを奮い立たせるように言って帰りの車に乗り込んだ。